
■2023年 44週まで(2023.1.2 ~ 2023.11.5)のレジオネラ症感染者数
国立感染症研究所の感染症発生動向調査週報(IDWR速報データ)
第44週速報の累積報告によると、1,944名(前年44週1,908名・前年比+1.9%)の感染者が報告されました。
(グラフ①参照)※別ページで表示(PDF)
各地の入浴・宿泊施設では客足が戻り、ふたたび賑わいを見せていますが、今年は特に温泉・入浴施設設備でのレジオネラ属菌検出やレジオネラ感染症の報道が多く目についています。
入浴施設の利用客が多いときは、浴槽管理は機械任せにすることなく管理者自身がこまめに確認し遊離残留塩素濃度を調整する、湯の交換や清掃頻度を多くするなどの対応が衛生対策においては重要です。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行して半年が経ち、徐々に新型コロナの流行の勢いは弱まっているようですが、まだ終わったわけではありません。またその一方で、インフルエンザの流行もすでに始まっています。
新型コロナやインフルエンザなどの感染症対策も行ないつつ、入浴施設設備は適切な衛生管理によりレジオネラ属菌の発生やレジオネラ症を防止し、安心して利用できる体制つくりを継続していただきますようお願いします。
*****[参考]***********************************************************
【店舗・施設の営業再開に際しての衛生対策について】
【コロナ対策で休業再開後の「入浴施設」に注意!循環式浴槽にレジオネラ症のリスク】
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このページのグラフは、国立感染症研究所(NIID)が公表する感染症発生動向調査週報(IDWR)のデータに基づき、協会が作成したものです。
※それぞれのグラフをクリックすると大きなグラフがご覧になれます。
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入浴施設では、ろ過装置を含めた配管の定期的な洗浄(専門の業者に委託することが多いと思います)と施設の担当者による日常の清掃・消毒の実施が、レジオネラ症をはじめとする感染症の対策には不可欠であり、また、衛生的な状態が保たれていることを確認するための水質検査も大切です。
銭湯やスーパー銭湯などの入浴施設、ホテル・旅館のお風呂を管理される方は、衛生管理を十分に行い、万全の体制でお客様をお迎えできるよう、お願いします。
また、お風呂がある高齢者施設も同じく、衛生管理の徹底をお願いします。
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見た目はきれいでも、そこには様々な菌が生存していることもあります。
見た目はもちろん大事ですが、目に見えない菌が潜んでいる可能性も考えながら、清掃や洗浄とともに消毒剤などを使い滅菌・消毒という菌対策も考えて頂きたいと思います。
日々の作業は大変かも知れませんが、清掃・消毒のポイントをしっかり押さえて行いましょう
過信は禁物です。これまで何事もなかったからこれからも大丈夫とは限りません。常に緊張感を持って衛生管理を行うようお願いします。
また、日々の清掃・消毒・点検等の後には、その内容(箇所・時刻・数値など)を管理表などの書面に必ず残すようにしましょう。 **************************************************************************
営業者及び管理者の衛生管理に対する意識が高いか低いかで、施設の衛生管理状況は大きく変わります。
地域や団体、行政機関などが主催するレジオネラ対策等の講習会がある場合には積極的に参加して、最新の情報や知識を身につけ、日常の衛生管理を向上させましょう。
また、日常衛生管理が適切に行われていることを確認するために、レジオネラの検査も行いましょう。
なお、衛生管理を行う上で、薬剤や機械に頼りすぎないことも大事です。
どんなに良い薬剤や機械を使っていても、管理する人がその使用方法・メンテナンス方法等を正しく理解していなければ、意味がありません。
管理の知識を向上させましょう。最終確認は人の目・手で行いましょう。