レジオネラ集団感染で賠償命じる/広島
2019年(令和元年)10月15日にNHK NEWS WEB(広島)は、おととし(2017年)三原市の日帰り入浴施設「みはらし温泉」で起きたレジオネラ菌の集団感染で、感染した1人で三原市に住む70歳の男性が感染によって生活に支障をきたしたなどとして、施設の運営会社「森川観光」に損害賠償を求めた裁判で、広島地方裁判所尾道支部は原告の訴えの一部を認め、運営会社に137万円あまりの賠償を命じた、と伝えた。
2017年3月、三原市の「みはらし温泉」で、利用客50人以上がレジオネラ菌に集団感染し、1人が死亡した。
原告の男性は、3日後に意識不明の状態で病院へ搬送され、容体が回復したあとも筋力の低下などの後遺症が残り、半年間働くことができないなど生活に支障をきたしたとして、運営会社に840万円あまりの損害賠償を求めていた。
15日の判決で木村哲彦裁判官は「原告が事故の前に左官業を営み、感染による入院と通院によって一定の支障が生じたと推認される」と指摘し、運営会社に対し通院慰謝料や治療費などとして137万円あまりの支払いを命じた。一方で、レジオネラ菌に感染したことが筋力低下などの後遺障害を招いたとする主張については、感染との因果関係を認めなかった。
判決について原告の男性は「後遺障害が認められなかったのは大いに不満だ。控訴も含めて今後の対応を検討したい」と話したとのこと。