「べっぴんの湯」9月末で営業休止 湧出量急減、原因調査へ/岩手
2019年(令和元年)8月31日付けデーリー東北は、久慈市は30日に開いた市議会への事務事業説明会で、源泉湧出量が急減している新山根温泉「べっぴんの湯」の営業を9月末で休止し、原因を突き止めるための調査に入ることを明らかにした、と伝えた。
既に受け付けた10月以降の予約は、事情を説明した上でキャンセルとする。再開時期は未定。
湯量は1995年の開業時、毎分205リットルに上ったが、ここ2年ほどで急減。今年6月に井戸の揚湯管を地下300メートルまで延長する工事をしたが回復せず、7月には12リットルに。浴場を1回満たすのに最低限必要な量を下回った。
市によると、源泉が湧く井戸の深さは800メートルあるが、300メートル以下は鋼管がない露天掘り。その区間で土砂が崩れている可能性があるため、休止後は内部にカメラを入れて地下の状況を確認する。
一方、源泉が枯渇していた場合は早期再開は難しく、新たにボーリング工事をするには1億円を超える経費がネックとなる。
市産業経済部の山田一徳部長は「源泉は枯渇していないと信じている。苦渋の決断だが、再開に向けて最大限の努力をしていく」と理解を求めた。
山あいの山根地区にあるべっぴんの湯は市内唯一の温泉で、東北一の強アルカリ成分が特徴。肌触りが良いと評判で、近年は年間7万人が訪れていた。