別府市営温泉の衛生守れ 市民に紛れ「Gメン」が確認/大分
2019年(令和元年)8月21日付け大分合同新聞は、別府市は市営温泉18施設の衛生管理体制を強化した。一般市民に紛れて抜き打ちでチェックするモニター制度を導入。全ての浴槽の水質検査など、国の基準を上回る対策に市独自で取り組む。レジャーで訪れる観光客、憩いの場として日常的に利用する市民が安全・安心に使える環境の維持に一層力を入れる、と伝えた。
モニターは別府八湯温泉道などの名人28人に加えて、市民10人を公募した。自身がモニターであることは口外しない決まり。全員が1カ月に2施設ずつ入浴する。
敷地、玄関、脱衣室、浴槽の衛生状況や、従業員の接客対応を25項目のチェックシートで確認し、5段階で評価。改善が必要な部分があれば市に提案する。7月に本格稼働した。
公衆浴場法に基づく県条例で、定期的な水質検査が必要なのは屋内の浴槽から採取した湯水。市は露天、砂湯を含め、施設内外の全ての浴槽を対象に定期検査する。
検査の対象は、2018年度の24カ所から3倍ほど増加して、約70カ所になる。本来は定期検査の定めがない貯湯タンクも対象に含めることにした。
全国一の源泉数、湧出量がある別府市。観光地としての注目度が高まる中で、衛生管理の徹底・充実は不可欠となっている。18年10月に市営温泉でレジオネラ菌が検出された反省を踏まえて効果的な点検手法を試行していた。
市温泉課は「法令で定める基準以上の対応に強化して衛生管理を徹底する。指定管理者の従業員にも衛生管理研修を受けるよう促している」と話している。