レジオネラ症集団発症 静岡市の「大江戸温泉物語」で感染か15日から営業自粛/静岡
2019年(令和元年)8月15日付け毎日新聞は、静岡市保健所は15日、7月末~今月12日、市内の医療機関からレジオネラ症の発症報告が8件あり、うち7件の男性患者7人が市内の同じ温泉施設を利用していたと発表した、と伝えた。
7人は60~80代で発熱や肺炎の症状が出て入院したが、命に別条はないという。
感染源は断定されていないが、同保健所は「温泉施設から感染した可能性が高い」として関連を調査している。
調査を受けているのは「大江戸温泉物語 すんぷ夢ひろば 天下泰平の湯」(同市駿河区)。同施設は15日から当面の間、営業を自粛することを決めた。
市保健所などによると、レジオネラ症は細菌による感染症で、原因となる菌は加湿器や循環式浴槽などに存在する。人から人には感染しない。
入院した7人は7月下旬~8月上旬、同施設の共同浴場を利用した。
5月に立ち入り検査した際は、レジオネラ菌の検出量は基準値以下だったという。
同保健所は今月7日にレジオネラ症を発症した患者3人が同施設を利用していたことを把握し、同施設に口頭や文書で営業自粛を要請した。だが、原因が特定できなかったこともあり、同施設は営業を継続。その後、4人の感染が判明した。市は今後、患者から検出された菌の遺伝子情報などを調べ、感染源を特定したいとしている。
施設を運営する大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京)によると、施設には内湯の浴槽が男女計6カ所、水風呂同2カ所、露天風呂の浴槽が計13カ所ある。
宿泊施設もあるが、部屋にある浴槽のみを利用した宿泊客の発症は報告されていないという。水質検査などは毎日実施しており、配管清掃も適切だったとしている。
同社は「感染源は断定されていないが、塩素濃度の管理や配管洗浄の強化など、対策を実施したい」と話した。