太平洋フェリー「いしかり」大浴場からレジオネラ属菌を検出 乗客が発症
2019年(令和元年)7月31日付け船舶ニュースは、太平洋フェリーは1日(木)、「いしかり」船内の大浴場からレジオネラ属菌が検出され、これまでに乗客3名のレジオネラ症発症が確認されていることを公表した、と伝えた。
同社は6月17日(月)、名古屋市保健所南保健センターから「いしかり」に乗船した1人がレジオネラ症を発症したとの連絡を受け、定期的に行っているレジオネラ属菌検出検査を1か月前倒して実施、この際、レジオネラ属菌は検出されなかった。
同社は、「いしかり」に乗船した別の1名も発症したとの連絡を7月1日(月)に受けている。
さらに7月17日(水)、「いしかり」に乗船した別の乗客1名のレジオネラ症発症が確認され、この1名は他の入浴施設の利用がなかったため、同社は保健所からの立入調査を受けた。
結果、「いしかり」船内の男子展望大浴場の浴槽からレジオネラ属菌が検出され、培養検査で解析した結果、発症した1名のレジオネラ属菌と同一パターンであることがわかった。
同社は、菌検出の原因について、7月4日(木)の自主検査結果において、浴槽の遊離残留塩素濃度が基準値より低いことが判明しており、これにより浴槽に混入したレジオネラ属菌を死滅させることができていなかったことが考えられるとしている。
同社は保健所の検査後、全船に対し遊離残留塩素濃度を基準値に保ち、塩素濃度を1日3回以上測定するよう指示した。
また、高塩素濃度での配管循環洗浄、専門業者による化学的洗浄を実施し、「いしかり」男子大浴場は安全が確実に確認されるまで使用を自粛している。
太平洋フェリーは、今回の事態を謝罪するとともに、これまでに「いしかり」に乗船し、レジオネラ症により医療機関で治療を受けていた場合は、同社まで連絡してほしいと呼びかけている。