川魚が大量死、原因は「プール掃除」塩素濃度高い水を排水/兵庫
2019年(令和元年)6月3日付け丹波新聞は、3日午前9時ごろ、兵庫県丹波市市島町内を流れる前山川に、「大量の魚が浮いている」と近隣住民から丹波署などに通報があった、と伝えた。
同署や市が調べたところ、前山川流域にある前山小学校のプールから出た塩素濃度が高い排水が原因と分かった。
同校から下流約300メートルに渡って数百匹の魚が銀色の体を横に向け沈んでいた。中には産卵期とみられる大きな腹の魚もいた。
同校によると、今月4日のプール掃除の準備のため、5月31日にプールの藻を取りやすくしようと大量の水泳用塩素を投入。3日午前7時40分ごろから水を抜いたという。
プールから出た水は、そばを流れる前山川に排水されることから、魚が大量死したとみられる。今年は平年より雨が少なく、川の水位が減っていたことも災いした。人体に影響はないという。
同校は午前11時ごろに警察から問い合わせがあり、事態を確認。現在、教職員らが魚の回収作業を行っている。
同校によると、土日のうちに塩素が抜けると考えていたという。しかし、日曜が曇天だったため、残留塩素濃度が高いままだった。
市教育委員会によると、市内の学校のプールから出る排水は、雨水と同様、下水道を通さず、直接、川に排水しているという。児童が泳ぐ際には水質を調査し、濃度が基準内であることを確認するが、掃除の際には特に確認していないという。
死んだ魚の回収にあたった同校の堀博文校長は「不注意で、地域に大変心配をかけた。河川愛護や生き物を大切にしようと教育する学校でこんなことをしてしまい申し訳ない。児童が泳ぐ前と同様にペーハーをはかってから排水すべきだった」と謝罪した。