雨畑川に汚泥投棄、廃棄物処理法抵触か 山梨の採石業者/静岡、山梨
2019年(令和元年)5月14日付け静岡新聞は、静岡、山梨両県がサクラエビの不漁などを受け濁りの調査を進めている早川水系の雨畑川(山梨県早川町)で、砂利プラントを運営する採石業者が産業廃棄物の汚泥(ヘドロ)を河川に不法投棄してきた疑いが浮上、山梨県が13日までに、現地調査と業者からの聞き取りを開始したことが分かった、と伝えた。
廃棄物処理法や河川法などに抵触している可能性があるとのこと。
投棄しているとみられるのは、販売用に直径数センチ程度に石を砕いた後の洗石工程で出る微粒子分を多く含むヘドロ。両県が実態を調べている流域全体の濁りにどの程度影響しているかは不明。雨畑川を管理する山梨県治水課の清水宏課長は「違法の可能性が高い行為で調査を進める」とコメント。業者の担当者は取材に対し「違法性の有無は不明だが、県の指導には従う」と話した。
同社は堆砂が著しい雨畑ダム上流の土砂を、地下トンネル内のベルトコンベヤーを経て、ダム下流の砂利プラントに搬出し、砕石を製造しているという。廃棄物処理法などによると、ヘドロは微粒子を分離し、固形物にして産業廃棄物として処理することが義務付けられている。
関係者によると、同社は数年前からプラント内でこの分離作業を行わず、ショベルカーで砂利プラント内の水槽からヘドロをかき出し、複数台の大型ダンプカーで搬出していたという。
取材した4月下旬、雨畑川の河川内にダンプがヘドロを投棄している様子が確認できた。関係者によると、月に一度程度、各回100トン以上が投棄されてきた可能性があり、山梨県は、こうした経過や同社の関与について詳しい聞き取りを行っているとみられる。
山梨県側に早川水系の濁りの実態調査を打診した静岡県水産業局の中平英典局長は「事実とすれば、大変遺憾だ」と話した。