今年も過去最多の報告数を既に更新し、初めて2,000名を超えました!!
さらなる予防に努めましょう!!
レジオネラ症感染報告数、初めて2,000名を超す
重傷な肺炎を起こし、死亡する危険性のあるレジオネラ属菌による感染症の患者報告数が過去最多となっている。
国立感染症研究所の資料によると、1999年に感染症法により医療機関から国への届け出が義務となってからの調査開始以降、2006年に500名を超え、2013年には1,000名を超えた。
多少の増減はあるものの、報告数は年々右肩上がりで増加してきており、2017年は1,772名。今年は12月2日の時点で既に2,000名を突破した。
感染発症した患者が死亡するケースも報告されている。
また、温泉施設をはじめ、ホテル旅館、スポーツ施設などの入浴設備では浴槽水やシャワーなどからのレジオネラ属菌の感染により集団感染が起きることがあり、設備機器の衛生対策を強化しているところも多いが、いまだに衛生管理不備により同菌が検出され、あるいは感染者の発生により営業自粛を余儀なくされている施設も見受けられる。
2018年のこれまでの都道府県別の患者報告数は、愛知県が154名で最も多い。以下、東京(152名)、大阪(124名)、神奈川(102名)、埼玉(99名)、静岡(93名)、千葉(95名)、広島(91名)、兵庫(82名)、岡山(76名)、茨木(65名)、群馬(58名)、福岡(52名)などとなっている。
レジオネラ症を巡っては、入浴施設を原因とする報告が相次いでいる。
広島県は昨年3月、三原市の民間日帰り温泉施設でレジオネラ属菌による集団感染が起きたと発表。58名が感染発症し、うち1名が死亡した。管轄の保健所などが感染経路や日常清掃、定期的な殺菌消毒等の実施状況などを調べ、施設に対して再発防止策を講じるよう提言した。施設は11カ月にもわたる営業停止処分を受けた。
また、3年前の5月に岩手県盛岡市の公衆浴場で起きたレジオネラ症集団感染では、利用客13人が感染し、うち2人が死亡した。市保健所が行った検査では、シャワーと女性用風呂の配管から市の定める基準を上回るレジオネラ属菌を確認。シャワーの配管からは基準の600倍のレジオネラ菌を検出した。この施設は4月下旬にオープンしたばかりだったが、6月1日に営業停止処分を受ける前に廃業した。元経営者は、浴槽の水の塩素濃度を保つなどの衛生管理を怠りレジオネラ菌を繁殖させ、集団感染を引き起こしたとして業務上過失致死傷の罪で起訴された。
入浴施設以外にも、水を利用する設備機器には注意が必要。
昨年1月、大分県の高齢者施設で入所者の男性3名がレジオネラ菌に感染していたことが判明、うち1名が死亡した。また、感染した他の男性は完治したが、その後肺炎により死亡した。
県は施設に立ち入り調査し、感染源を加湿器と特定し、加湿器からは基準値の2万2,000倍にあたるレジオネラ菌が検出された。