上田・依田川でアユなど大量死 市営プール排水原因か/長野
2017年(平成29年)7月19日付け信濃毎日新聞は、上田市教育委員会は19日、上田市丸子地域を流れる依田川で18日にアユなど川魚200〜300匹が死んでいるのが見つかったと発表した、と伝えた。
上流にある市営プールが同日、消毒用塩素のタンクを洗浄した水を排水しており、大量死につながったとみている。周辺で健康被害の情報はないとしている。
排水したのは上田市腰越の市営依田窪プール。管理する市教委丸子地域教育事務所によると、18日午後0時45分ごろ、プールの排水口から200〜300メートル下流の依田川で釣りをしていた人から上小漁業協同組合(上田市)に「魚が大量に死んでいる」との連絡があり、同漁協が現場を確認。プールにも連絡した。
プールでは同日午前、プールの水を消毒する「次亜塩素酸ソーダ」をためておくタンクの洗浄作業を実施。午前10時45分から約1時間にわたり、洗浄した水に水道水を加えて塩素濃度に問題がないことを確認しながら排水したという。ただ、排水全量の検査は難しいといい、同教育事務所は「部分的に塩素濃度が濃くなった排水があったかもしれない」としている。
同漁協が県水産試験場佐久支場(佐久市)に依頼して死んだ魚を調べたが、死因は特定できなかった。県上田地域振興局は18日、依田川の水を調べたが残留塩素は確認できなかった。市教委と漁協は、少雨のため依田川の水量が例年より少ないことも要因になった―との見方を示している。
依田川は現在、アユの友釣りシーズン。県外などから訪れる釣り客も多く、同漁協は失われたアユを補うため近く追加放流をする予定だ。同漁協の坪田秀彦事務長は市に対し「魚がいることにもよく注意して仕事をしてもらいたい」と注文。同教育事務所は「今後は検査を徹底するなど、同じような事態が起きないよう注意する」としている。