飲用不適の水で給食米飯器具洗浄 熊本市の会社/熊本
2013年(平成25年)11月27日付け熊本日日新聞は、熊本市内の小中学校約90校に給食用米飯を納入している民間会社「熊本炊飯センター」(同市東区石原1丁目)が約30年にわたって、飲用に適さない井戸水で調理器具を洗浄していたことが26日分かった、と伝えた。
炊飯や米とぎには水道水を使っていたが、市保健所が食品衛生法などに違反するとして改善を指導し、同社は7月から井戸水の使用を中止した。
さらに同社は、1998年11月から下水道に排水していたにもかかわらず、井戸水を使っていることを届け出ず、井戸水使用分に相当する下水道使用料の徴収を免れていた。
市上下水道局はことし10月、時効が成立していない過去5年分の使用料777万円を同社に請求した。
市保健所と市上下水道局は7月上旬、内部告発に基づき同社を立ち入り調査。炊飯釜や運搬用の米飯ケース、調理器具などの洗浄に使っていた井戸水を検査した結果、水質基準値の38倍に当たる一般細菌数を検出。わずかに濁りがあり、濁度や色度も基準を超える「飲用不適」だった。
米飯にこの井戸水が混入する可能性があるにもかかわらず、食品衛生法が定める有害物質の混入防止措置が取られていないとして市保健所が改善を指導した。
同社は1983年4月から公益財団法人県学校給食会の委託を受け、熊本市内の小中学校へ米飯の納入を開始。現在は植木、城南両町を除き市内の7割を超える小学校59校、中学校30校に納めている。
同会が7月、各校に冷凍保存されていた同社の米飯をサンプル検査したが異常はなかった。同会や市教委によると、健康被害の報告や苦情はないという。
熊日の取材に対し、同社の藤本英刀社長は「井戸水が飲用不適で、下水道使用料も未払いだと、以前から認識はしていた。しかし、経費の問題もあり、対応を先延ばししてしまった。学校給食への信頼を裏切り大変申し訳ない」と話した。