おいしい水で企業局が賠償求める 福井市、製造業者など2社/福井
2012年(平成24年)1月23日付け福井新聞は、福井市企業局が販売していたペットボトル入り飲料水「おいしいふくいの水」から基準値を超える一般細菌(雑菌)が検出された問題で同企業局は23日、製造工程に原因があったとして、製造業者と広告代理店の2社に約2,930万円の損害賠償を求める通知をしたと発表した、と伝えた。支払期限は2月20日。
2社は富山県立山町の「大観峯(だいかんぼう)」と福井市の広告代理店「ティーツゥー」。ティーツゥーは市と物品購入契約を結び、市に飲料水を卸していた。在庫品(6万本超)の代金やおわび広告、水質検査費用、弁護士相談手数料などを求めている。
同企業局は、大観峯の製造過程でキャップが斜めに取り付けられるなどして密栓不良となり、隙間から雑菌を含んだ水が混入したとした。ティーツゥーには、市が求めていた品質の商品が納入されなかったとした。
両社に通知した市企業局は「回答を待って今後の方針を決めたい。必要となれば裁判や調停などの法的処置も検討している」としている。
大観峯は「弁護士を通じて話し合い、誠実に対応していきたい」、ティーツゥーは「通知が届き次第、弁護士と相談し具体的な対応を決めたい」とコメントした。
問題は昨年8月下旬、消費者が腹痛などを訴え発覚した。賞味期限(2年)内のサンプルや回収品を検査し、ペットボトル計164本のうち2010年3月と11年3、5月に製造された27本から食品衛生法の基準値(1ミリリットル当たり100個)の1.4倍〜140倍に当たる雑菌を検出した。
市企業局は損害賠償請求と並行し、製造再開を模索している。大手飲料メーカーなどを視察し、より厳しい衛生管理の研究を進めている。