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水戸の検体小包破裂 容器扱いに多重ミス―県、新手引き作成へ/茨城

 2011年11月7日(月)付の茨城新聞は、水戸中央郵便局(水戸市三の丸1丁目)で10月18日、郵便物の段ボール箱が破裂しているのが見つかった事故は、爆発物の疑いもあったため、郵便局の職員らが避難、警察や消防の車両が出動し、県都の中心街は一時騒然とした雰囲気に包まれた、と伝えた。
 荷物は県衛生研究所(水戸市)が国立感染症研究所(東京)宛てに送った検体。
 劣化を防ぐため、容器とともに封入されたドライアイスが気体に昇華し、圧力が上昇したため破損した。
 同研究所によると、容器の扱いについて、誤解があったことが原因という。
 同研究所によると、検体は赤痢アメーバの疑いがある人の肝臓の膿。県内の病院から冷凍されて持ち込まれた。
 採取当時の状態を保つためドライアイスを使用して郵送。郵便局では、室温が低温に保たれている保冷郵便室内に保管されていた。
 感染症法に基づき、専用の容器で3重包装し、中身が漏れ出さないよう輸送されることになっている。
 事故について県保健予防課は「ドライアイスは(1次容器の試験管を包む)2次容器の中に入れられていた。
 それが昇華して容器内の圧力が上昇し、ふたが吹き飛んだ」と説明。
 ドライアイスが昇華して二酸化炭素となり、密封された2次容器内の圧力が上昇したとみられる。
 同課はドライアイスを2次容器の外側、3次容器内に置けば、今回のような事故は起こらなかったと分析する。
 また、同研究所は「作業した者が2次容器を3次容器と誤信した上で、容器のふたを緩めた。
 2次容器は密封を前提にしたもので、多少緩めた程度では(圧力上昇に至る)密封状態が解かれなかった」としている。
 同研究所によると、赤痢アメーバは口に入れるなどしない限りは感染しない。
 危険な細菌やウイルスは4段階に区分するが、郵送した検体は、いずれにも属さず、危険度は低かった。
 こういった検体は規定通り容器に収めれば、一般の荷物と同様に郵送することができるという。
 同課によると、郵送による細菌類の取り扱いは年間10~20件程度、2010年度は23件あった。
 しかし、ドライアイスを封入して郵送するのは「年1度あるか、ないか」(同研究所)という。
 同課は「危険なものは県公安委員会への届け出が必要で、手続きが厳重になる。もちろん郵送することもできず、個別で運搬することになる」と話している。
 今回の事故は、取り扱う容器の誤解が重なって起きた。
 同研究所は「担当者はベテランの職員で、通常は考えられないようなミス。認識が不足していた」と陳謝。
 事故後、同研究所は、郵送などの業務を担当する職員ら全員に対し再発防止の研修を実施。
 また、冷凍した検体に対する記述を加えた新マニュアルを策定中という。
 「お騒がせしたが、もう二度と同様の事案を起こさないよう努めていきたい」としている。

ニュース資料2011年(平成23年)11月7日(月)茨城新聞