下水道料金1億2,000万円未納―「ぐらんの湯」/広島
2011年1月29日(土)付の産経新聞は、中四国で大型ショッピングセンター(SC)などを運営する「フジ」(本社・松山市)直営の温浴施設「神辺天然温泉 ぐらんの湯」(福山市神辺町)で、下水道使用量が実際より少なく計量されるよう、メーターを迂回する配管(バイパス)が敷設されていたことが28日、分かった、と伝えた。
未納額は過去5年間で約1億2,000万円に上る。
同社は組織ぐるみであることを否定し、関係者の告訴も検討しているという。
この施設は大型SC「フジグラン神辺」内にあり、平成17年12月の開設。
昨年11月18日、異動内示を受けた前支配人(当時40歳代)が上司に、開設当時から迂回配管があることを報告。
調査の結果、当時の建設部長(50歳代、昨年5月に退職)が独断で工事業者に指示し、その事実を前支配人に伝えていたことが判明したという。
施設には井戸水2本、温泉1本の計3本の揚水管があり、迂回配管は2本はメーターの下約60センチの個所に、もう1本は横30センチの個所に埋設されていた。
今月5日、市の立ち会いで現場を確認し、すでに迂回配管は切断し封鎖したという。
前支配人は「不正は認識したが、そういうものなのかと思った」と事態の重さを認識していなかったらしく、正規の使用量を把握するためのメーターを屋内外に各1個設置し、データをパソコンに取り込んでいたという。
同施設では下水道使用料で年間2,300万円の予算を組んでいるが、実際に払ったのは900万円だった。
会見したフジの尾崎英雄社長は「企業倫理の向上に努め、再発防止に取り組みたい」と話したとのこと。