白浜の源泉に無許可装置-45年前湧出・県、近く調査へ/和歌山
2010年10月31日(日)付の産経新聞は、白浜町湯崎にある温泉の源泉に、県の許可を得ないまま湯をくみ上げるための動力装置が取り付けられていたことが30日、分かった、と伝えた。
源泉の名義は町だが、土地は近くのホテルの所有。源泉は昭和40年に湧出したが、その後の経緯は不明。町は県とも相談し、近くホテルや源泉などを立ち入り調査するという。
町有の温泉を管理する町観光課によると、源泉は「第3天山」と呼ばれ、40年にホテルのフロント近くのロビーから湯気が上がったため、調査したところ温泉と分かった。ロビーの床が80度ほどの熱をもち、危険だったため、町は昭和43年、県の許可を受けて温泉法の適用を受けない形で掘削し、温泉が湧出したという。
しかし、あくまでも危険回避のための掘削であることから、菊原博観光課長は「温泉を海に放流する措置を取ったと思われる」と説明する。その後、町は昭和50年に動力装置の設置申請を県に行ったが、すぐ近くに温泉会社の源泉があることなどから「地元での調整が必要」として認可されず、以後は第3天山は事実上放置されていたという。
しかし今回、第3天山に動力装置が設置されていたことが判明。「誰が動力装置を設置し、温泉を使っているのか」などと問題となり、同課が40~50年代の関係資料や議会の議事録を調べるなど対応に追われたという。
温泉法違反の疑いがある可能性が出ていることに、菊原課長は「まだ調査の段階だが、今のところ町が動力装置を設置したという事実はない。温泉は町の貴重な資源。このまま放置することはできない」と話しているとのこと。