水道水に基準値超えるトルエン―前橋市など/群馬
2010年2月25日(木)付の産経新聞は、群馬県と独立行政法人水資源機構は24日、前橋市などの約4万9千世帯に19~22日にかけて供給した水道用水に異臭があり、検査の結果、水質管理目標値(0.2ppm以下)を上回る最大0.4ppmのトルエンを検出したと発表した、と伝えた。
県水道課は「通常の摂取量なら人体に問題はない」としているという。
同課などによると、トルエンが検出されたのは、前橋、伊勢崎、渋川、桐生の4市と玉村町の住民約13万人に水を供給する県央第2水道事務所(渋川市)の水。
19日午後9時の定期検査で職員が異臭に気づいたという。
同事務所は粉末活性炭を投入して対応したが、20日夜も異臭を感知。水質検査の結果、0.2~0.4ppmのトルエンを検出した。
22日も異臭がし、住民からは23日までに53件の苦情が相次いだという。
同機構の調査で、同事務所から約9.6キロ上流で、トルエンが含まれる有機溶剤を使った送水管塗装工事が行われていたことが判明。
工事は水の供給をとめて行われたが、この送水管は、下流で水が流れている別の送水管とつながっていることから、同機構は「トルエンの混ざった空気が流れ、水に溶け込んだ恐れがある」としているという。
同事務所から送水される水道水はすでに水質管理目標値内となっている。
同機構では塗装工事を中止し、原因の特定を急いでいるという。