高濃度のアルカリ水、琵琶湖に流出―近畿農政局、中和装置設置へ/滋賀
2010年2月25日(木)付の京都新聞は、農水省近畿農政局が長浜市内に掘削した農業用水トンネルから、水質基準を超えるアルカリ濃度の水が琵琶湖に流れ出ていることが25日、明らかになった、と伝えた。
トンネルからの排水は水質汚濁防止法などの規制対象外だが、同局は中和装置の設置工事を進めているという。
トンネルは、琵琶湖の水を農業用水として余呉湖に送る「余呉湖第2補給送水路」(延長1.3キロ)。
2003年2月の着工後、わき水を琵琶湖に抜くパイプでアルカリ濃度の高い水を確認。2007年10月には数値が基準近くに収まったという。
しかし2008年7月の水質検査で基準を超えるアルカリ濃度が確認され、県は2009年11月に早急に対応するよう要請、同局が今月上旬から中和装置の設置工事を進めている。
同局の検査では、排水の水素イオン指数(基準値6.0~8.5)はピーク時には11.7が記録されているという。
同局新湖北農業水利事業所(長浜市)はアルカリ濃度が高い原因は不明と説明し、「法律や条例には抵触せず、周辺への悪影響もないが、基準を超える水が出ているのは好ましくないと考えている」としているという。