養豚場で依然汚水を放流 邑南町/島根
2010年(平成22年)1月23日(土)付の中国新聞は、昨年11月にふん尿汚水約80トンの流出事故を起こした島根県邑南町矢上の養豚業者「いわみファーム」(服部充雄社長)が依然、下流に汚水を流していることが江津市の調べで分かった、と伝えた。
21日は特に汚濁がひどく、市は22日、邑南町に覚書の水質基準の順守をあらためて要請したという。
市桜江支所によると、同社の日貫農場(同町日貫)の直下の糸谷川は今月もたびたび濁り、21日は水深30センチが見えないほどの透明度だった。
同社は20日夕から汚水を放流していたことを認めたという。
同支所は22日、「改善策を見守ってきたが看過できない」(山崎順造次長)として邑南町の担当者を呼び、覚書にある生物的酸素要求量(BOD)20
ppm以下の水質を厳守するよう要請したという。
服部社長はこの日、町役場で記者会見し「1月に入り浄化槽の調子が悪く、処理水の希釈で対応した。
大量の水が蒸発散装置の処理能力を超え、やむなく20 ppmを超える水を放流した」と説明。
同様の理由で昨夏から数日おきに放流し、町などには報告していなかったという。
今月上旬に同社が県に提出した再発防止マニュアルは浄化槽の正常作動が前提で、放水は想定外だった。
服部社長は「今後は浄化槽を自社管理せずに業者に委託し、水質基準をクリアしたい」と話したという。
石橋良治町長は「包み隠さず報告すべきところ、また新事実が出て裏切られた思い。指導を強めるしかない」と話した。
町は、一切の放流をしない技術の導入を検討中だが、同社は「資金面から確約できない」としているとのこと。