■2017年 第11週(3月19日現在)のレジオネラ症感染者数
国立感染症研究所の感染症発生動向調査週報(IDWR速報データ)
第11週の速報によると188名の感染者が報告されました。(グラフ@参照)
昨年(2016年)の同週は230名で、18.3%減っています。
広島県三原市の入浴施設で集団感染の報道がありました。お亡くなりになった方もいます。
これから気候が暖かくなります。例年5月以降に報告数が増加する傾向にあるので、対岸の火事と高をくくることなく、とりわけ日常の衛生管理について、適切に行われているかチェックをしてみましょう。
循環式浴槽の場合であれば、残留塩素濃度の測定は決められた頻度で行っているか? ヘアキャッチャーを毎日清掃・消毒しているか? 週に1回以上ろ過器の逆洗浄は行っているか? 管理表は正しく記録されているか? などなど...。
源泉掛け流しでも、適切な管理がなされていない場合には、レジオネラ属菌などが発生する可能性があるとの理解があるか?
など、今のうちに考えてみてはいかがでしょうか?
今週は、中国・四国地方9県の2007年以降の報告数の推移について見てみましょう。
(中国・四国地方の報告数推移のグラフはここをクリック)
鳥取県は、2009年以降10名以下が続いており、昨年は全国で3番目に少ない4名でした。
島根県は、これまでに10名以上になったことがなく、一昨年(2015年)の9名が最多で、昨年は4名に減っています。
岡山県は、2011年の37名をピークに翌年から2年続けて減少し、2014年に32名に再び増えた後、ここ2年は続けて減少傾向にあります。
広島県は、中・四国地方ではここ4年間最多となっており、一昨年(2014年)に初めて40名を超えたが、ここ2年は30名台となっています。
山口県は、2012年に初めて10名を超えて以降、10名前後を数位しているが、ここ2年は僅かながら増加している。
徳島県は、全国でも最も少ない県の一つでしたが、一昨年(2014年)から増加傾向にあり、昨年初めて10名を超えました。
香川県は、2014年に前年の2名から大幅に増加(前年比+11)して初めて10名を超えました。
愛媛県は、2014年に前年の5名から増加(前年比+8)して初めて10名を超えて以降、ここ2年も増加傾向にあります。
高知県は、これまで10名を超えたことはなく、昨年は全国で2番目に少ない地域です。
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入浴施設では、ろ過装置を含めた配管の定期的な洗浄(専門の業者に委託することが多いと思います)と施設の担当者による日常の清掃・消毒の実施が、レジオネラ症をはじめとする感染症の対策には不可欠であり、また、衛生的な状態が保たれていることを確認するための水質検査も大切です。
銭湯やスーパー銭湯などの入浴施設、ホテル・旅館のお風呂を管理される方は、衛生管理を十分に行い、万全の体制でお客様をお迎えできるよう、お願いします。
また、お風呂がある高齢者施設も同じく、衛生管理の徹底をお願いします。
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見た目はもちろん大事ですが、目に見えない菌が潜んでいる可能性も考えながら、清掃や洗浄とともに消毒剤などを使うことも考えて頂きたいと思います。
日々の作業は大変かも知れませんが、清掃・消毒のポイントをしっかり押さえて行いましょう
過信は禁物です。これまで何事もなかったからこれからも大丈夫とは限りません。常に緊張感を持って衛生管理を行うようお願いします。
また、日々の清掃・消毒・点検等の後には、その内容(箇所・時刻・数値など)を管理表などの書面に必ず残すようにしましょう。
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厚生労働省は、平成27年3月31日付けで
「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル」について、厚生労働科学研究で最新の知見等が得られていること等を踏まえ、本マニュアルを改正するとの通知を出しました。
また、これまでのマニュアルとの比較一覧も作成されています。→
ここをクリック
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このページのグラフは、国立感染症研究所(NIID)が公表する感染症発生動向調査週報(IDWR)のデータに基づき、協会が作成したものです。
※それぞれのグラフをクリックすると大きなグラフがご覧になれます。
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@ 年度別レジオネラ症例数
(1999年以降) |
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A レジオネラ症報告数・月毎累計
(過去8年間) |
B 月別レジオネラ症報告数
(過去8年間) |
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C レジオネラ症報告数・週毎累計
(過去8年間) |
D 週毎レジオネラ症報告数
(過去8年間) |
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営業者及び管理者の衛生管理に対する意識が高いか低いかで、施設の衛生管理状況は大きく変わります。
地域や団体、行政機関などが主催するレジオネラ対策等の講習会がある場合には積極的に参加して、最新の情報や知識を身につけ、日常の衛生管理を向上させましょう。
また、日常衛生管理が適切に行われていることを確認するために、
レジオネラの検査も行いましょう。
なお、衛生管理を行う上で、薬剤や機械に頼りすぎないことも大事です。
どんなに良い薬剤や機械を使っていても、管理する人がその使用方法・メンテナンス方法等を正しく理解していなければ、意味がありません。
管理の知識を向上させましょう。最終確認は人の目・手で行いましょう。