多摩府中保健所(東京都府中市)は2020年(令和2年)2月19日(水)、『令和元年度レジオネラ対策講習会』を東京都府中合同庁舎5階講堂で開催し、協会職員が外部講師として講習の一部を担当させて頂きました。
講習会には、公衆浴場、旅館(循環式浴槽を持つ施設、プール経営者・管理者等)の管理担当者等42名が出席され、第一部として、当協会の職員が「レジオネラ症対策
循環系統の消毒と日常管理について」というテーマで90分間講習させて頂きました。
講習では、レジオネラ菌とレジオネラ症について、バイオフィルム内にはレジオネラ属菌が大量に繁殖すること、対策としてバイオフィルムの除去と付着防止が大変効果的であること、日常の衛生管理として設備ごとの清掃・消毒方法についての説明、消毒装置の起きやすいトラブルの例、またシャワー内部でもバイオフィルムが作られることがあること、1年に1回以上循環配管の徹底洗浄の実施と洗浄消毒方法等についてお話ししました。
講習後の個別質問では、新規開業の入浴施設で事故が多く起こった理由について(※1)、循環配管が接続されているが、浴槽水を入れ替え式で使った場合にも配管洗浄は必要か(※2)、気泡発生・ジャグジー装置内へ浴槽水はどこから逆流するのか(※3)などの質問がありました。
質問への回答
(※1)新規開業の入浴施設では、接続した新しい配管内が土埃等で汚染されているため、
営業直前には入念な配管および循環系統の洗浄消毒を必要とするが、事故が起きた施設
ではそれをおろそかにしていたと思われる(採水検査でも、土壌由来のレジ菌による配
管の汚染が確認されている。)
(※2)浴槽水を入れ替え方式で使った場合であっても、接続されている配管内には汚れた
浴槽水が侵入するので、汚染の原因となる。よって、使用していなくても洗浄消毒は必
要となる。
(※3)気泡発生・ジャグジー装置内への浴槽水の逆流は、浴槽内への噴出口から起こる。
これは防ぎようの無いことである。また、ジャグジーの場合は、浴槽水を循環して空気
を取り入れて攪拌噴出するものなので、これも汚れた浴槽水が装置内配管へ侵入する原
因となる。