トップページお知らせ【鳥取県生活衛生指導センター主催の「令和元年度旅館ホテル業並びに公衆浴場業における衛生管理講習会」の講師を担当】
お知らせ
■鳥取県生活衛生指導センター主催の「令和元年度旅館ホテル業並びに
 公衆浴場業における衛生管理講習会」の講師を担当

 公益財団法人鳥取県生活衛生指導センター・鳥取県旅館ホテル生活衛生同業組合・鳥取県公衆浴場業生活衛生同業組合は、『令和元年度旅館ホテル業並びに公衆浴場業における衛生管理講習会』を下記の日程で開催し、当協会の職員が講習の一部を担当しました。
 @ 2020年1月29日(水) 「とりぎん文化会館」第5・6会議室
 A 2020年2月 4日(火) 「米子コンベンションセンター」第4会議室
 B 2020年2月 5日(水) 「倉吉未来中心」 セミナールーム1

 講習対象は、鳥取県内で旅館ホテル業並びに公衆浴場業を営む者及びその従業員となっています。
 協会の担当として、「レジオネラ症感染予防のための施設の衛生管理」と題して、施設が行う日常衛生管理の重要性について、講演させて頂きました。

1/29 とりぎん文化会館(鳥取市)
 1月29日(水)とりぎん文化会館
 具体的な内容の前半は、「レジオネラ症」の特性や症状といった基礎的なことから、これまでに起きた国内外の感染事例、感染者数の年度ごとの推移・年齢分布などをはじめ、その原因となるレジオネラ属菌が循環配管内に付着するバイオフィルムの中で大量に増殖していくメカニズム、バイオフィルムが付着しやすい場所(見落としやすい場所)並びにその除去方法などについて。
 後半は、施設が継続的に日常行う衛生管理として、(以下に主な内容を抜粋)
1.浴槽水は満杯の状態を保つ・・・入浴者が使用する際は満水にすること
2.定期的に換水する・・・循環式浴槽は週に1回以上、循環式浴槽以外は1日1回以上
  換水して浴槽を清掃すること
3.浴槽水の消毒を適切にすること・・・塩素系薬剤により入浴時の遊離残留塩素濃度を
  0.2〜0.4mg/Lに保つこと
  (日常の塩素管理の重要性については、映像で示しました)
4.設備ごとに定期的に清掃・消毒を行う・・・@集毛器は毎日清掃 Aろ過器の逆洗浄
  及び循環配管の清掃・消毒を1週間に1回以上行うこと Bシャワーヘッドには循環
  水を使用せず定期的に清掃・消毒すること C貯湯槽は1年に1回以上清掃・消毒す
  ること
5.定期的に水質検査を実施する・・・レジオネラ属菌について、循環式浴槽の浴槽水は
  1年に2回以上、循環式浴槽以外の浴槽水は1年に1回以上実施し10cfu/10
  0ml未満であること
2/4 米子コンベンションセンター(米子鳥取市)
 2月4日(火)米子市コンベンションセンター

など、各項目ごとに具体的な頻度・方法について、さらに点検表に記録して3年間保管することについてお話をしました。
 感染事例の中では、2017年に広島県三原市の温泉施設で起きた集団感染(58名感染・1名死亡)をクローズアップし、約1年間の営業自粛の措置を受け、設備の改修・従業員の研修などを経て営業を再開するも、半年後に行った検査でレジオネラ菌が検出され、客離れも重なり廃業せざるを得なくなったこと。また、当時の支配人が業務上過失致死により禁錮2年執行猶予3年の判決を受けたことをお話しすることで、決して対岸の火事ではないということを認識して頂けたものと思います。
 その他、加湿器、冷却塔、給湯器、ウォーターサーバーについても、衛生管理状況によってはレジオネラ属菌が内部で増殖している可能性があり、とりわけ、加湿器については高齢者施設でのレジオネラ症の感染源となる事例が増えているため、厚生労働省が一昨年に「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」を改正し、衛生上の措置が明文化されたことをお話ししました。
2/5 倉吉未来中心
 2月5日(水)倉吉未来中心
 最後に、施設の管理者として日頃より衛生管理の意識・知識の向上を図って頂きたいとをお願いし、「レジオネラ症防止には、定期的な循環配管系統の清掃+施設管理者による日常衛生管理+定期的な水質検査」が大変重要であることをお話しして、講習を終了しました。