南多摩保健所は、『令和元年度レジオネラ症防止対策講習会』を11月12日(火)にベルブホール(多摩市永山公民館5階)にて開催し、当協会の職員が講習を担当しました。
講習対象は、循環式浴槽等を持つ公衆浴場、循環式浴槽等を持つ旅館、加温プール、ジャグジーを持つ施設、循環式浴槽等を持つ社会福祉施設で、約50名の方が出席されました。
「入浴施設のレジオネラ症 事例と対策」と題して、レジオネラ症とレジオネラ属菌の概要、レジオネラ属菌はバイオフィルム内で大量に繁殖すること、入浴設備のレジオネラ対策にはバイオフィルムの除去が効果的であること、そして近年起きた施設でのレジオネラ症発生事例を3例紹介しました。
1例目は2017年みはらし温泉の事例で、事故は構造的な不備と人為的なミスから起こったこと、2例目は2002年に起きたクルーズ客船の大浴場を感染源とした事故により賠償額は1億円超であったこと、3例目は2017年に高齢者施設で起きた加湿器を原因とする事故事例で、入浴設備以外でも不適切な衛生管理によって事故が起きるという例を紹介しました。
そして、日常の衛生管理として入浴施設において、設備機器ごとに具体的な衛生管理方法の説明を行い、シャワー設備でもレジオネラ属菌が検出されることがあり対策が必要であること、消毒装置の定期的な点検と清掃を行うこと、温泉水などで塩素が効きにくい場合の他の消毒方法などを説明し、循環式浴槽では1年に1回以上循環配管の洗浄を実施しバイオフィルムを取り除き適切な衛生対策を行う必要があること、その具体的な洗浄方法について話しました。
最後に施設管理者の心得として薬剤や機械を過信しないこと、衛生管理の意識・知識の向上を図ること等を話して講習を修了しました。