滋賀県大津市保健所は、『令和元年度入浴施設におけるレジオネラ症発生防止対策講習会』を10月11日(金)に大津市ふれあいプラザホール(明日都浜大津4階)にて開催しました。
講習会には、大津市内の公衆浴場・旅館施設の従業員と社会福祉施設の従業員など約50名の方が出席され、協会職員が外部講師として講演させて頂きました。
協会が講師を受け持つのは3年ぶりで、今回の講演のテーマは、『レジオネラ症感染予防のための施設の衛生管理について』として、施設が行う日常衛生管理の重要性について約90分間お話しさせて頂きました。
具体的な内容としては、レジオネラ症により現れる症状やレジオネラ属菌はアメーバに寄生して増殖するなどの特徴、感染者報告数が昨年初めて2,000名を超え今年もそれを上回る報告があること、また国内で起きた感染事例では、2015年に岩手県内で起きた集団感染(14名感染このうち2名死亡)で施設の元経営者が業務上過失致死傷の罪で罰金100万円の略式命令が出たことや、2017年に広島県内で起きた集団感染(58名感染このうち1名死亡)では約1年の営業停止処分を経て再開するも半年あまりで廃業となり、元支配人が有罪判決(業務上過失致死傷の罪で禁錮2年執行猶予3年)を受けた事例をピックアップしました。
レジオネラ症の防止対策としては、レジオネラ菌が生息するバイオフィルムを除去することが重要であり、そのためには市が定める公衆浴場法施行や旅館業法施行条例などに基いて適切な頻度と方法で清掃・消毒・水質検査を実施しなければならないことを設備ごとに説明しました。また、水位計や連通管、未使用の配管など湯水が滞留しやすい場所を確認して、こうした箇所も漏れなく清掃・消毒するといった注意点もお話ししました。
また、見た目をきれいにする「清掃」と細菌を除去する「消毒」の違いや、実施した作業を管理表に記録し、それを保管することの大切さもお話ししました。
さらに、社会福祉施設におけるレジオネラ症対策として、機械浴槽も入浴施設と同様に適切な日常の清掃・消毒に加えて水質検査を実施することや、加湿器を発生源とするレジオネラ症感染例が高齢者施設等で増えていることから、昨年(2018年)8月に『レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針』が一部改正され、「加湿器における衛生上の措置」が明文化されたこともお話ししました。