■2017年 第35週(9月3日現在)のレジオネラ症感染者数
国立感染症研究所の感染症発生動向調査週報(IDWR速報データ)
第35週の速報によると1,094名の感染者が報告されました。
(グラフ@参照)※別ページで表示(PDF)
昨年(2016年)の同週は936名で、16.9%増えています。
今週の報告数は、先週よりも増えて53名でした。
(グラフD参照)※別ページで表示(PDF)
8月が終わり1年の3分の2が過ぎたところで、今年の各月の報告数を過去5年間の月平均報告数(以下、「5年間平均」という)と比べて振り返ってみましょう。
(グラフE参照)※別ページで表示(PDF)
1月・2月は5年間平均と同数で始まり、今年は大きな増加はないかなという感じでした。
ところが、3月は、多くのメディアで取り上げられた広島県三原市の集団感染もあり、一気に報告数が増え、5年間平均の2倍近くになりました。
4月は兵庫県をはじめ愛知県・千葉県・広島県などの報告数が前月よりも大幅に増えたこともあり5年間平均を1.4倍以上上回りました。
5月は東京都・愛知県をはじめ石川県などの報告数が前月より大幅に増加こともあり5年間平均を1.5倍近く上回りました。
6月は神奈川県・愛知県をはじめ静岡県・埼玉県・大阪府などが前月より大幅に増加したものの、5年間平均も6月は5月より大幅に増えているため、ほぼ5年間平均と同数でした。
そして、7月は埼玉県・東京都・愛知県などの他にも多くの地域で大幅に増加したことにより5年間平均の1.5倍を超えました。
8月は東京都をはじめ埼玉県・宮城県・愛知県・神奈川県・大阪府・兵庫県などの報告数が多くあり、5年間平均を1.4倍以上上回りました。
今年の報告数は、5月〜7月にかけて月を追うごとに増え8月に減ったことは過去の傾向と同じですが、7月と8月が5年間平均と比べて大幅に増加したことが特筆すべき点です。
このあと、9月は8月より増えるものの10月以降は年末に向かって減少していく傾向が過去のデータに表れていますが、今年はどうなっていくのでしょうか?
少しずつ涼しくなってきたこの時期、秋の行楽シーズンに向けて、水を利用する設備機器(入浴設備、クーリングタワー、人工の池や滝などの水景設備など)の衛生管理の再点検を行いましょう。
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このページのグラフは、国立感染症研究所(NIID)が公表する感染症発生動向調査週報(IDWR)のデータに基づき、協会が作成したものです。
※それぞれのグラフをクリックすると大きなグラフがご覧になれます。
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入浴施設では、ろ過装置を含めた配管の定期的な洗浄(専門の業者に委託することが多いと思います)と施設の担当者による日常の清掃・消毒の実施が、レジオネラ症をはじめとする感染症の対策には不可欠であり、また、衛生的な状態が保たれていることを確認するための水質検査も大切です。
銭湯やスーパー銭湯などの入浴施設、ホテル・旅館のお風呂を管理される方は、衛生管理を十分に行い、万全の体制でお客様をお迎えできるよう、お願いします。
また、お風呂がある高齢者施設も同じく、衛生管理の徹底をお願いします。
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見た目はもちろん大事ですが、目に見えない菌が潜んでいる可能性も考えながら、清掃や洗浄とともに消毒剤などを使うことも考えて頂きたいと思います。
日々の作業は大変かも知れませんが、清掃・消毒のポイントをしっかり押さえて行いましょう
過信は禁物です。これまで何事もなかったからこれからも大丈夫とは限りません。常に緊張感を持って衛生管理を行うようお願いします。
見た目はきれいでも、そこには様々な菌が生存していることもあります。単なる清掃だけでなく、滅菌・消毒という菌対策も是非、実施して欲しいものです。
また、日々の清掃・消毒・点検等の後には、その内容(箇所・時刻・数値など)を管理表などの書面に必ず残すようにしましょう。
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厚生労働省は、平成27年3月31日付けで「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル」について、厚生労働科学研究で最新の知見等が得られていること等を踏まえ、本マニュアルを改正するとの通知を出しました。
また、これまでのマニュアルとの比較一覧も作成されています。→ここをクリック
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営業者及び管理者の衛生管理に対する意識が高いか低いかで、施設の衛生管理状況は大きく変わります。
地域や団体、行政機関などが主催するレジオネラ対策等の講習会がある場合には積極的に参加して、最新の情報や知識を身につけ、日常の衛生管理を向上させましょう。
また、日常衛生管理が適切に行われていることを確認するために、レジオネラの検査も行いましょう。
なお、衛生管理を行う上で、薬剤や機械に頼りすぎないことも大事です。
どんなに良い薬剤や機械を使っていても、管理する人がその使用方法・メンテナンス方法等を正しく理解していなければ、意味がありません。
管理の知識を向上させましょう。最終確認は人の目・手で行いましょう。