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水利協は、「清掃・検査・補償」の独自システムで、水を利用する設備の衛生と利用者の安全を守っています。
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Dr.イワサキの今月のお話し
Dr.イワサキプロフィール
1933年島根県松江市生まれ。協会監事・学術部会代表幹事/北海道大学 健康・予防医学 教育学博士/健康評論家。
温泉健康法として「クアハウス」、森の健康法として「森林浴」を発案、企画・運営指導に携わる。その間、一貫して厚生省、農水省、環境省の補完事業を担当。レジオネラ菌対策、シックハウス対策にも係わっている。
著書に「温泉と健康」(厚生科学研究所)、「クアハウスの健康学」(総合ユニコム社)、「森林の健康学」(日本森林技術協会)などがある。
Vol.7
◆“美味しい水”の本音と“安全な水”とのせめぎあい
昨今は、外出する若者の3人に1人が市販のペットボトルの水を持ち歩き、水道水離れが際立っているという。“安全だから”という理由は建前で、本音は“美味しい水”に引かれる部分にあることが気になる。
地球環境汚染から見れば、うまい、まずいは別として、蛇口からすぐ飲める日本の水道水の衛生管理レベルは世界トップレベルだ。
1985年、環境庁(現・環境省)が「名水百選」を企画し、国内784箇所の水から専門家によって、水質、量、環境、親水性とか、故事来歴や地域住民の安全活動等から選定した経験がある。つまり、“美味しい水”の基準は大論争の上、その水に含まれるナトリウム、カリウム、マグネシウムなど主要無機質成分の一定総計量の範囲を主要基準の一つとしたのだ。
実は当時も今もこの程度の基準だけで水の良し悪しが判定される訳もなく、馬鹿馬鹿しくてくだらないと悪評が高かった。硬水に馴染んでいる欧米人と軟水好みの日本人では求める味も質も違うし、ミネラル量の大小だけでは実は無理であった。
つまり、美味しい水の原点について日本人本来の微細な味覚に聞くならば、天照大御神(日本書紀)の冒頭で豊かな国であることを表した“豊葦原の千五百秋の瑞穂の地(くに)”で、幾多もある清水についてうま味の判定など出来るか!!の古代人の叱責がその答えかもしれない。
より真剣に議論すべきは、ペットボトルの水に依存する国民需要にとっては衛生配慮である。当時「名水百選」に希薄であるとされた安全面の危惧は現在、むしろ深刻の度を増している。“美味しい水”の背後にある“汚染されやすい水”の存在を知るべきだ。水を持ち歩くならすぐ飲み干すことが原則だ。最近、20リッター相当のウォーターサーバー・サービスをある場所で見た。栓を開けたらすぐ消費しないと微生物汚染の格好の場となろう。衛生に無頓着に取り扱う現場スタッフにも早急に衛生管理の必要性を指摘したい。
今、巷で貯水槽水道の衛生管理が問題となっている折、それをコンパクトに表した形のウォーターサーバーの無防備状態の現状には目が離せない。
それはともかく、寒さが底をつくこの季節、2月の「如月」は、まだ寒さが残っているので、衣(きぬ)を更に着る月であるからとの説が有るが、小生も着ぶくれで運動不足にならぬようにと思う今日この頃である。
では、また。
(1002-007)
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